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先日、参加したとある講演会での出来事で大事だなと感じたことをメモ程度に残します。
全国にコインパーキングを300店舗展開し、アパホテルのレストランを何十店舗も手がけ、さらにはあの○○ホテルそのものを経営されている実績豊富な経営者です。今回の講演では幅広いテーマについてお話しいただきましたが、とりわけ印象に残ったのはコインパーキング事業のビジネスモデルでした。
コインパーキングに見る「積み上げの強さ」
以前何かの記事で読んだ際に、
「コインパーキング1つあたりの利益は月5万円から10万円程度」とおっしゃっていました。
一見すると大きな利益ではありません。ですが、それを300店舗積み上げれば月に1500万〜3000万円の利益となります。
さらに、この事業は赤字になるリスクが低く、安定性が高い点が特徴です。本部経費も少なく、現在社員30〜40名規模の体制で運営しているとのことですが、それでも利益率20〜30%を維持しているそうです。30年間大きな崩れもなく、淡々と盤石経営を続けてこられた背景には、この「小銭ビジネスを積み上げる」という考え方があるのだと感じました。
コロナ禍という“まさかの坂”
もちろん順風満帆というわけではありませんでした。コロナ禍の3〜4年間は、人々の外出が減り、コインパーキングの利用が激減。さらにホテル事業やレストラン事業も、宿泊客が減った影響で朝食需要がほぼゼロになるという厳しい状況に直面したそうです。
その際は、不動産を売却したり、助成金を活用することで乗り越えたとのこと。しかし長期的に見ると、コインパーキングを中心としたビジネス基盤があったからこそ、全体として安定し続けることができたと振り返られていました。
優れたビジネスモデルの仕組み
コインパーキング事業の初期投資は、主に機械代と看板代。万が一、設置した土地で撤退することになっても、その機械を別の駐車場に移設できるため、リスクが抑えられるのが強みです。
また、家賃の原価率を50%以下に抑え、立地や価格設定を誤らなければ、月10万円程度の利益はほぼ確実に出せるとのこと。さらに、まれに月80万円規模の“モンスター級”の駐車場が誕生することもあり、その醍醐味も語られていました。
「小銭ビジネス」を積み上げる発想
今回のお話を聞いて強く感じたのは、小銭ビジネスを積み上げる力強さです。
単体では小さな利益に見えても、100件、300件と積み上げていけば、揺るぎない事業基盤となります。しかも、このモデルは簡単に崩れにくく、赤字にもなりにくい。だからこそ、その上に新たな挑戦――ホテル経営や飲食事業といった大きな勝負――を乗せることができるのです。
経営者さんご自身も「コロナで一度切り崩したので、再び500店舗を目指したい」と語っておられました。まさに小銭ビジネスがあるからこそ、大きな事業を支えることができる好例だと感じます。
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まとめ
私自身、今回の講演を通じて「月5万や10万しか儲からないから意味がない」と考えるのではなく、「その事業を100件積み上げたらどうなるか」という発想こそ大切だと学びました。
まさかの坂を想定したうえで、堅実な事業モデルを積み上げる。その積み重ねが、次の挑戦や新しいアイデアを生み出す土台になるのだと改めて実感しました。
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