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住宅を購入すると、団体信用生命保険(いわゆる団信)が加わり、万一のときにローン残高が相殺される前提が生まれます。ところが加入前のままの死亡保障を抱え続けると、住居費と保障が二重で“重なって”しまうことがあります。見直しの要点は、団信で守られる部分と、家庭で守るべき生活費を切り分けることです。固定費を軽くしつつ、いざというときの実行力を高める手順を、日常目線でまとめます。
新居の鍵を減らしたら、ポケットが軽くなった
引き渡しの日にもらった鍵束は、ずっしり重く感じました。帰宅してから古い鍵を外してみると、ポケットが途端に軽くなります。「守る扉が変われば、持ち歩く鍵も変わる」。団信加入後の見直しは、まさにこれでした。ローン分は団信の“大きな鍵”が守るので、以前の大きすぎる死亡保障は一部を外し、代わりに働けなくなった時の家計を支える設計に厚みを移す。鍵の本数が減ると動きやすく、毎日の負担感も薄れました。保険は増やすより“重ならないよう整える”が効きます。
団信で守られる範囲を確認する
団信がカバーするのは住宅ローン残高です。生活費、教育費、葬儀費用、家電の故障や修繕費までは守られません。まずはローン残高の推移、特約(がん・三大疾病・就業不能付帯など)の有無を把握し、団信で自動的に消える支出と、引き続き家計で準備が必要な支出を分けます。ここが曖昧だと“二重の備え”が発生して固定費が重くなります。住宅関連の臨時支出(固定資産税、更新料、修繕積立)もリスト化しておくと、必要保障額の精度が上がります。
死亡保障は「住居費を除いた生活費」で再計算
団信で住居費が実質ゼロになる想定なら、死亡保障は「住居費を除く生活費×必要年数−公的給付(遺族年金等)」で見直します。子どもの独立時期や教育費の山を考慮し、逓減型や期間短縮も選択肢に入れると、過不足の少ない設計になります。大きすぎる“昔の鍵”を外し、必要な合鍵だけ残すイメージで調整すると、納得感のある保険料に落ち着きます。
就業不能・医療は“支出の連続性”を守る
住宅を維持するうえで致命傷になりやすいのは、長期の収入減です。就業不能は免責期間・給付期間を、貯蓄の厚みと職種の復帰可能性に合わせて設計します。医療は高額療養費制度を踏まえ、自己負担が膨らみやすい通院・先進医療・差額ベッドへの備え方を検討。生活防衛資金や貯蓄と役割分担しつつ、家計の“連続性”を優先して選びましょう。
三案比較は“使いやすさ”を評価軸に
提案は期間・金額・特約を変えた三案を同一フォーマットで並べ、給付請求の手順、解約・払済・特約変更のしやすさ、連絡窓口のわかりやすさを点検します。想定ケース(入院、長期離脱など)を一つ決め、手元のスマホで「最初の連絡先に辿り着けるか」を試すと、机上では見えない“強さ”が分かります。選ばなかった案の理由を短文で残しておくと、次回見直しがスムーズです。
家族で共有し、住宅イベント前後で濃淡調整
契約番号・窓口・更新月を一枚にまとめ、家族が見られる場所に置いておきます。固定資産税の支払い、更新、修繕など住宅イベントの前後は、保障の濃淡を調整する好機です。終わったら元の薄さへ戻す“期間可変”を前提にすると、固定費が膨らみにくくなります。
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まとめ
住宅ローン世帯の見直しは、団信で守られる部分を先に外挿し、残りを生活費の“現実の数字”で埋めることから。就業不能・医療は家計の連続性を守る視点で、三案比較は使いやすさも評価。家族共有とイベント連動の調整までつなげば、固定費は軽く、いざという時は強く働く設計に近づきます。今日の一歩は、団信の内容とローン残高の確認から始めましょう。
相談の準備は、ローン返済表と「最近ひやっとした修繕費」のメモだけでも十分です。面談で難しい言葉が続いたら「鍵で例えると?」と聞いてみてください。団信が大鍵、残りの保険は合鍵、特約はキーカバー。帰り道で古い鍵を一つキーホルダーから外すくらいの気軽さで、次の点検日をスマホに入れておきましょう。

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