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みなさん、パワポ作りにどれくらいの時間をかけていますか?
中小企業の経営者であれば日常的に触れる機会は少ないかもしれませんが、大手企業のサラリーマンだと「1週間まるまるパワポに費やした」なんて話も耳にします。
もちろん上司やお客さんに見せるためだから気合を入れるのだと思います。ですが、私は常々こう思うのです。「そこまで時間をかける必要はない」と。
パワポにかける時間=本当に価値を生んでいるか?
もし部下が、自分への説明のために何時間もパワポを作っていたら、間違いなくこう言うでしょう。
「何してるんだ!そんな暇があるなら他の仕事をしろ!」と。
デザインを整えること自体を否定しているわけではありません。ただ、ChatGPTやAIで十分に体裁は整えられる時代です。人間が何時間もかけるべきではない。私たちが本当に時間を使うべきは、もっとクリエイティブで本質的な仕事です。
実際、私が過去に見てきた現場では「見栄えだけ完璧な提案書」を作ることに全力を注いだ結果、肝心のディスカッションで深い問いに答えられず、その場で信頼を失ったケースもありました。パワポのデザインは美しかったが、提案の中身が薄かったのです。つまり「パワポ作り=成功の保証」では決してないのです。
若手時代に学んだ「提案書はいらない」という教え
私自身、20代でコンサル会社にいた頃、提案書を大量に作っていました。しかしある時、上司に言われた言葉が今も心に残っています。
「一千万円くらいの提案なら企画書を作るな。我々にはそんな暇はない」
当時は衝撃でしたが、確かに提案書づくりに追われていても売上は上がらない。だから私は営業でほとんど企画書を使ったことがありません。
「企画書はありますか?」と聞かれても堂々と「ありません」と答える。それでも本質を語れれば相手には伝わるのです。
思い返すと、この考え方は営業活動全体を楽にしました。資料の細部に神経を削るより、自分の頭で考え、相手と対話することに集中できたからです。数字や市場の見立てをその場で即答できた方が、よほど「頼れる存在」として見てもらえました。
デザインに逃げない、自信と実力で勝負する
なぜ人は丁寧にきれいなパワポを作るのか?
それは裏を返せば「自信がないから」「実力がないから」ではないでしょうか。
本当に力があるなら、たった30秒のキャッチコピーで相手の心を射抜ける。
むしろ、ペラ1枚の紙に書いたひと言が人の心を動かすこともある。
例えば、ある経営者が手書きの紙に「この事業で日本一を獲ります」と大きく一文だけ書いて投資家に見せたところ、熱意が伝わりその場で出資が決まったという話もあります。伝わるのは装飾ではなく、言葉と信念の強さなのです。
「デザインに逃げるな。身ひとつで勝負せよ」
これが私がずっと思い続けていることです。
世の中は省エネ化、本質以外は削ぎ落とせ
世の中はすでに「省エネ化」の方向に進んでいます。
ネクタイを外してクールビズになったように、メールよりLINE、対面よりZoom、財布や名刺入れを持たない生活……。
そうした時代に、パワポだけが旧態依然と「きれいに整えねば」と時間を食っているのはおかしいと思いませんか?売上やキャッシュに直結しないものは省エネ化していい。
パワポ作りに1週間かける暇があるなら、新しい事業を考える時間にあてるべきです。
AIに任せれば、体裁は自動で整います。むしろAIに作らせた叩き台をベースに、自分は「本当に伝えるべきこと」に頭を使う方が合理的です。
本当に必要なのは「伝わる言葉」だけ
結局のところ、体裁を整えすぎる必要はありません。
少し崩れていても、お客様が文句を言う暇がないくらい、本質的でクリエイティブな価値を出せばいいのです。提案資料を作るにしても1分でざっとまとめて、あとはAIに任せればいい。
あなたが考えるべきは「どうすれば相手に突き刺さる言葉を生み出せるか」ただそれだけです。
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まとめ
パワポを作ることが目的になってはいけません。
体裁を整えるためのパワポに何時間もかけるのは、時代に逆行している行為です。
必要なのは「伝える力」であり、「言葉の本質」です。
もし今、パワポ作りに追われているとしたら、立ち止まって考えてみてください。
「この作業は本当にお金になるのか?」「もっと価値のある時間の使い方があるのではないか?」と。
最後に読者の皆さんへ。
あなたは「完璧なスライド」を求めて何時間も机に向かっていませんか?
それとも「一言で心を動かす」準備をしていますか?
本質を突く仕事にエネルギーを注げば、あなたの時間はもっと価値を持ち始めます。
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